40歳代以降は、虫歯、歯肉炎、歯槽膿漏といった口腔内のトラブルを意識し出すことが多くなってきます。
毎日、きちんと歯磨きをしていても、なんとなく口の中がさっぱりしない、口臭が気になる、歯が長くなった気がする、喉が渇きやすい、などなど、何らかの問題が出てきがちです。
40歳を超えると、約4割の人に4㎜以上の歯周ポケットがみられるといいます。歯周ポケット溜まった歯垢や歯石は歯科医に行ってクリーニングしてもらうしかありません。
歯周病におすすめな歯ブラシのタイプ
私も40代半ばごろから歯周病に気づき、それがきっかけで4か月に一度は歯の定期クリーニングに歯科医院に通っています。
歯磨きも朝晩とそれなりに真面目に磨いてきたつもりです。
あるとき、歯科医院で歯の磨き残しを染める歯垢染色液で歯垢を染めてもらったことがありました。
その結果は惨憺たるもので、歯間、歯の表面ともに汚れがかなりあったのです。ショックでした。自分ではキチンと磨けていたと思い込んでいたので・・・
以来、歯ブラシ環境を自分なりに工夫しました。
今まで使っていた先の尖ったタイプの歯ブラシに加え、仕上げとして先の平たいタイプの歯ブラシを使う用にしてみました。
その工夫のかいあって、次のクリーニングの時の染め出し結果は素晴らしいものでした。若干の汚れはあったものの、ほぼパーフェクト。
そのときに、歯科衛生士さんから、私的にショックな反応がありました。
「ん? じゃあ、今まで先の尖ったブラシだけで磨いていたの?」
「はい、ずっと尖ったブラシだけでした。」
「先が尖ったタイプは歯垢を取り去る効果が少ないという研究データがあります。歯ブラシは先が平たいタイプだけで良いです。」
と、いう私的にショックな言葉でした。
歯周病だから、歯と歯茎の中に入る先の尖ったタイプが良いだろうと勝手に思い込んでいました。15年以上使ってたので、この言葉は私的に非常にショックでした。
「歯周ポケットは、ブラシの当てる角度さえ正しければ、先の平たいタイプでも問題ないですね。」というお言葉。
歯周病予防に正しい歯ブラシを選ぼう
歯ブラシはいろんなタイプが売られているので、どれが良いのか迷いますよね。これについての回答もいただきましたのでご紹介いたします。
毛先のタイプ
ブラシの毛先タイプは前述の通り、先細タイプと、先の平のタイプであれば、断然「先の平のタイプ」が良いです。
先細タイプは使いこなすコツが難しく、大抵の人はうまくいっていないどころか、歯茎を傷める人までいるようです。
山切りカットや、カーブのついた歯ブラシもありますがそれもNG。
歯に密着させて歯垢を掻き出したいのに、密着面をわざわざ減らしている形だからです。
シンプルな平面のブラシを選びましょう。
柔らかい/硬い
硬い歯ブラシは磨いた気になりますが、実はNG。
大抵の人はブラッシング圧が強めなので、歯茎を傷めるだけです。
普通の硬さの歯ブラシを選びましょう。
歯茎や口内にトラブルがある人は、優しく磨ける柔らかめでもOKです。
ヘッドの形
ヘッドは細目のものか、シンプルな形のものがおすすめです。
私は先が細目のものが磨きやすいので好きです。
ブラシの幅
好みにもよりますが、歯周ポケットを意識するなら3列のブラシの方が歯周ポケットを掻き出しやすいのではないかと思います。
更年期あたりから歯周病が増える
歯のトラブルもまた、更年期のトラブルと関連しています。
女性は閉経を前に40代から女性ホルモンの分泌が急激に減少していきます。
唾液の分泌量も減り、口が渇きやすいといったドライマウスの症状を感じる方も増えてきます。
唾液は口腔内の健康に多いに役だっているので、唾液の分泌量の減少はトラブルに発展しやすい環境と直結しています。
女性ホルモンのエストロゲンには、歯周組織の炎症を抑える作用もあるのですが、このエストロゲンの減少により歯周組織の炎症も進行しやすくなると考えられます。
歯周病は歯だけの問題ではなく、肺炎や心臓病、糖尿病など他の病気を引き起こすこともあります。
歯周病と全身の状態 糖尿病と歯周病の双方向性
糖尿病と歯周病は共に代表的な生活習慣病で、生活習慣要因として食生活や喫煙に関与します。糖尿病は喫煙と並んで歯周病の二大危険因子であり、一方歯周病は三大合併症といわれる腎症・網膜症・神経症に次いで第6番目の糖尿病合併症でもあり、両者は密接な相互関係にあります。しかし慢性炎症としての歯周炎をコントロールすることで、糖尿病のコントロール状態が改善する可能性が示唆されています。
歯周病予防、40歳を超えたら定期クリーニングを
統計によると42%の人は歯周病が原因で、歯を失っているそうです。
たかが歯1本失うだけと思われるかもしれませんが、本来あった場所に歯が無いということは後々ご自身の身体にも影響を与えます。失った歯の周辺には、多くの負担がかかっています。
歯が失われることにより、体全体に様々なリスクが生まれる可能性があるのです。
隣接する歯の生えている方向が年月とともに少しずつズレてくることもあります。お口全体の歯並びにも大きな影響を与えることが考えられるのです。
噛み合わせがずれてしまうことで、咀嚼力も低下します。噛む力が減退し、アゴの筋力低下につながります。
歯周病予防には定期的なクリーニングが一番です。
歯医者が嫌いという方は多いですが、40歳を過ぎたらそうも言っていられません。
毎日の正しいブラッシングケアを心がけ、定期的なクリーニングをし、自分の歯を大切にするよう心がけましょう。